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戦争を題材にした映画は、古今東西多々あるが、本作はその中でも屈指の名作・傑作と呼んでいいと思う。
 
それまで仲良く暮らしていたはずの村人たちが、隣人同士、友人同士で殺しあう。次々と家族が死に、恋人が死に、そして生き残った人々も心身共に深く傷つく、戦争が作り出す無惨だがありきたりな体験。だが、本作ではそれらは、6歳の少女の目を通すことであくまでも「おとぎ話」の中の挿話として描かれる(←決して語られるのではない!)。深夜我が家が爆破される轟音も、コンドームで作った風船とチョコレートをくれるアメリカ兵の出現も、突如現れる古代ローマの兵士達の空想も、少女にとっては、皆等しく「おとぎ話」的体験として刻み込まれる。
もちろん、全ての描写が少女の目を通して描かれているわけではない。後から人づてに聞かされた話、いや、むしろ村人達に起こった様々な出来事=戦争体験を、作者自身がファンタジーという映画的形式を用いて、後世=彼らの子孫に伝えようとしているのだろう。「これらの出来事を、決して忘れてはならない」と。
 
だから、本作が何よりも素晴らしいのは、そうした「想い」を言葉ではなく、あくまでも映像で、映画として我々観客に見せてくれようとしていることだろう。この頃のタヴィアーニ兄弟は、前作『父 パードレ・パドローネ』でもそうだったが、プロットの巧みさや画面の美しさに頼らず、かつ伝統的なネオ・リアリズモに根ざしながら、実に映画的アイデアに富んだ素晴らしい演出をしていたと思う。例えば、ラストの方で、村がアメリカ軍によって解放された朝に、狐の嫁入り(お天気雨)の中、生き残った村人達が逃げ出してきた自分の村への帰りを急ぐというシーンがあるが、「40年来の想い」(←それは映画を観てのお楽しみ♪)を遂げた男だけが雨に打たれながらただひとり留まっている。その無言の姿を映し出す描写は、何度観ても強く胸を打つ。
 
本作は、昨今流行りの戦争を扱った諸作品のように、声高に主張することも、誰にでも分かり易く物語ることも、ことさらに美しく描くこともしない。ただ、出来事を、それに遭遇した人々のリアクションを、愛しくもかけがえのないものとして描くことに終始する。
そうであればこそ、私はきっぱりと断言しよう
「映画とはこれだ。これが映画だ!」
 
註:「昨今流行りの戦争を扱った諸作品のように、と偉そーなこと書いているのに、おまえ、ちーっとも最近の映画なんて観てやしないぢゃないか!」と思ったそこの貴方、図星です。テヘ♪

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